大人になって水泳をはじめた人は、肩が固いからストリームラインを組みにくく、蹴伸びが上達しにくいです。
じゃあどうすればいいかという話しです。
肩が固いとストリームラインを組むだけで体への負担が大きい
肩関節の可動域が狭いと、ストリームラインを組むだけで肩腰の負担が大きいです。
具体的には次の2つの動作が難しいです。
・耳の後ろで手を組む
・耳の横で手を組む
肩の上で手を組むだけで腰を反ってしまうかたもいます。四十肩を経験している男性は、腕を組むのに苦戦している傾向があります。
ストリームラインを姿勢を取るだけで腰を反ってしまうと
⇒腰を反ることで下半身が下がり
⇒下半身が沈むから推進方向からの抵抗が大きくなる
こんなトラブルが起こります。
根本的な解決方法はストレッチ
根本的な解決方法はストレッチに時間を費やして可動域を広げることです。
蹴伸びの練習、ストリームラインの練習そのものがストレッチになります。
ストリームラインが組めないのは子供の頃から水泳をやっている人にはわかりにくい感覚なのでは?
ストリームラインが組めない問題は、選手上がりのコーチは想像しにくいです。
子供のころからプールに入っていて肩回りがストレッチされていますし、中学生や高校生のころには陸上トレーニングで肩回りのストレッチをしています。
同じ40歳でも水泳経験者と未経験者は肩関節の柔らかさが全く違います。
もちろん、肩がガチガチに固まっている人でも毎日ストレッチすれば肩回りは確実に柔らかくなります。
実際に毎日ストレッチするのはとても難しいですし、子供のころから水泳をしているかたと同じ程度に柔らかくするのは難しいです。
子供の頃からやっている人>>(越えられない壁)>>20代ではじめた人>>(越えられない壁)>>40代以降ではじめたひと
こんな状況ではないでしょうか。
肩関節を水泳選手並みに柔らかくする考えは捨てる
子供のころからやってる人達は体の柔軟性が別次元なので、今の柔軟性でどこまでできるかを考えていくのが大切です。
「正解の姿勢をやらなきゃいけない」ではありません。できるかどうかは別問題で、できる範囲で探していくのがいいでしょう。
理想は手の甲の上に手の平を重ねる一般的な組み方です。
→親指だけを組む蝶々の形でOK。
→親指を組むのも厳しければ万歳の姿勢でOK。
「肩がきつくて腰を反ってしまうくらいならバンザイの姿勢でもいいですよ。でもストレッチは大切なのでやっておきましょうね。」くらいに言えば良いと思います。
そもそも「蹴伸びとは?」という言葉の定義
わたしは、壁を蹴って伸びるから「蹴伸び(けのび)」と呼んでいます。また、蹴伸びの練習で使う言葉を、次のように分けて使っています。
・浮き身(水に浮く練習、姿勢+キック)
・ストリームライン(水の抵抗を避ける練習)
・蹴伸び=浮き身+ストリームラインのこと
蹴伸びの練習をするときは、浮き身とストリームラインを分けて考えるのが大切です。蹴伸びの指導をする時に、浮き身とストリームラインを一緒にしてしまうノウハウそのものに、指導の落とし穴があるのではないでしょうか。